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いろはぷらす +21

コーネルベーカリー オーナー 中西 宏さんの「ぷらすのチカラ」

赤い扉が印象的なコーネルベーカリー オーナーの中西さん(2019年9月末移転予定)

コーネルベーカリー×いろはのデザイン

夕方ごろにいつもこのお店の前を通ると、ほとんど商品がない。はじめは一体何屋さんなのだろう?と思うこともあったが、実はパン屋。商品のある昼間に何度か訪れパンを購入すると、シンプルだが飽きのこない、ずっと食べ続けられるような味のパン。リピート客も多いのだろう。夕方になくなるのがうなずける。あるとき、この店をほぼ一人で運営されているオーナーの中西さんにふと声をかけてみると、きさくでとても話しやすい方であった。今回、いろはぷらすの主旨に快くご賛同いただき、中西さんのパンに対する思いをお話いただいた。

焼き立てのパンの香りが店内全体に
作ってもすぐに売れきれてしまうコーネルベーカリーのパン

パンの世界に入ったきっかけ

私がパンの世界に飛び込んだのは2014年のころ。近隣のパン屋でアルバイトなどもしました。そののち、津田沼で店舗を構え現在に至っています。

パンを食べるのが好きなのはもちろんなのですが、幼少の頃から街に出てパン屋さんに行くのが好きだったんです。街の中にあるパン屋さん、店内の家庭的な雰囲気だったり、パンが並んでいる様子や焼き立てのパンの香り。ケーキ屋さんよりも、パン屋さんが好きでした。現在のパン職人になるまで、近隣のパン屋でアルバイトをしていたことはありましたが、特別修行というのはしなかったんですよ。ただ、東京のパン屋で「シニフィアン・シニフィエ」をリスペクトしています。パン業界では「先生」と呼ばれる方のパン屋で、パン作りの考え方に大変感銘を受け、私が作るパンもそのお店の影響が強くでていると思っています。

個性がパン作りにもつながる

パン業界はパティシエのような業界と違って、いわゆる作る人によって個性が表現できる職業になるかもしれませんね。「パン」という概念の中でブレが大きくてもそれが店独特の個性となり成立する。それがパン業界の良い面でもあり、そんな自由な部分にも魅力を感じています。

好きなパン、ありますか?

それがですね。僕は…ないんですよ。笑

パンならなんでもいい…というのは語弊がありますが、食パンでも、菓子パンでも、何でも好きなんですよね。山崎製パンさんの菓子パンだって大好きです。

究極的な表現なのですが、パンって、小麦粉と水と、塩を混ぜ合わせただけの食べ物です。それでも作り手や環境、分量、配分などの様々な条件でいろいろな表情のパンができるんですよね。そこには深みがあるし、愛情を注げばそれだけ愛おしいパンができる。日本の伝統文化の一つである「茶道」に近いもの…お茶も水と抹茶だけで表現するところや作り方一つで味が変化したりするところに、考え方が近いと感じています。

そんな限られた素材だけでも様々な表情を生み出せるパンが好きなんです。お店をやっていると、パン好きの方で日本中のパン屋巡りをされているお客さまもいらっしゃったりします。そういうの、いいですよね。とっても憧れます。僕も時間があったら日本中のいろいろなパンを食べに行きたいですね。

撮影当日も看板商品のパン・ドミは最後の1つ しかも予約取り置きだった

津田沼でオープンした店舗から~現在とこれから

パンの世界に入りまず約5年間、津田沼で店舗を構えて現在に至るのですが、とにかくこの5年間は「パンを作るのに苦労した」という一言に尽きるのではないかと思います。

パンをきちんと作ろうと思うと、どうしても徹夜して作ることが日常茶飯事です。手間をかければかけるほど、自分でも満足のいくパンができる。ちょっと手抜きするとその程度のパンができる。パンは本当に素直な食べ物です。

一つのパンを生み出すのに、寝不足になり、ノイローゼになってしまったり…。苦しいことばかりの5年間が続きました。それでも仕上がったパンをお客さまが喜んで買ってくださる。お店で「美味しかったよ」「頑張ってね」とお言葉をいただけると励みになるんです。

カンパーニュの断面。大きな気泡が特徴

パンを通したお客さまとの信頼関係

お客さまがご友人に贈るパンとして購入されるケースもよくあるんですが、普通は「ここのパンおいしいよ」と言ってきっとご友人に渡されるでしょう。もしそのパンが美味しくなかったら…と考えると、購入していただいたお客さまの顔に泥を塗るようなものですよね。せっかく買っていただいたお客さまは裏切れません。だがら手を抜けないんですよね。

素朴で飽きのこないコーネルベーカリーのパンは地元でも評判だ

次のステップへ!

今は生活と、パンのことで精一杯なんですね。その自分の生活をもう一歩、次のステップに行きたいですね。簡単に言うと「自分自身の時間をつくる」ということでしょうか。時間にゆとりを持ち、周りを見渡せる余裕ができると、きっと物事の考え方も変わってくるような気がいたします。自分の暮らしや生活はもちろん、パンに対しても新しいアイデアなども湧いてくると思います。それがこれからのコーネルベーカリーに繋がり、きっと今以上に満足のいくパンが出来てくるように感じています。

苦労は多いが、お客さまの笑顔が何よりうれしいと、オーナーの中西さん

パン屋にとって一番大切なこと

これは深い質問ですね。パン屋に限らず自営をされている方、商いをされている方全般に言えることかもしれませんが、私は「笑顔」なのだと思います。いつも笑顔でいられる。これって凄いことですよね。笑顔でいられる背景には昨夜徹夜したり、良い気分でなかったりする時もあるんですよね。それでもお客さまに常に笑顔で接する。それがモノづくりのパンにも、お店のイメージにもなると思います。笑顔は人が集まってきますよね。

パン作りのこだわり

まず極論から言いますと、パンはどういう作り方でもできてしまって、1時間でも作ろうと思えば作れます。ただ、私がこだわっていることは「きちんと発酵をとる」ことです。この一言に尽きます。

私がまだ若い頃、美味しいパンを作るにはどうすればいいのだろう?と漠然と考えていたことは、おそらく有名なパン職人さんは私がまだ知らないような「美味しくなるような調味料」などを入れて、パンを美味しくしているのだろう。と考えていたこともあったんです。でもそれは違っていて、パンに関しては、その「美味しくなる調味料」にあたる部分が「きちんと発酵をとる」ことだと思います。低温で長時間、しっかりと発酵をとると私が理想としているパンができます。そんなこだわりのパンを、ぜひ多くの方に食べていただきたいです。

INDEX

コーネルベーカリー
習志野市津田沼2丁目1-1-102(2019年9月末にてちはら台に移転予定)
TEL. 047-478-6688‬(2019年9月末までの予定)

営業時間 10:00〜18:00

定休日 月・木

アクセス 京成津田沼駅より徒歩約5分/JR津田沼駅より徒歩約10分


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