まちづくり会社ドラマチック 今村ひろゆきさんの「ぷらすのチカラ」
まちづくり会社ドラマチック × いろはのデザイン
今村さんと初めてお会いしたのが「ならしのスタディーズ」という地元習志野市の地域活性を目指したコミュニティで、今村さんはこのコミュニティの運営を手がけており、まちづくりや地域活性の事業を中心に活動されている。いろはのデザインでも、地元地域のために役に立てることがないか模索していた時期でもあり、話しやすくフレンドリーな今村さんといろいろとお話をさせていただいたのがきっかけだ。今回、いろはぷらすの主旨にご賛同していただき、且つ今村さんのまちづくりの考え方やそのビジネスモデルを伺うことが出来た。
会社設立までのきっかけ
もともとは学生の時に、大学生、会社社長、社会人が集まるサークルがありまして、そこでたくさんの企業の社長さんと知り合う機会がありました。当時、私の「会社の社長」のイメージは、社長ってすごい人(雲の上のような人)なんだろうな。と思っていたのですが、実際にお話を伺ったりすると、気さくに話していただける、いい意味で普通の方ばかりで、いつか自分も会社の社長になりたいな。と思うようになりました。
そんな折、2010年〜11年にかけて、当時勤務していた会社で働きながら週に何日間は自分の仕事をやろう!と決めて活動をはじめたのがきっかけです。
当時私が勤務していた会社は、商業施設の開発やコンサルティングを手がける会社でした。その会社の考え方が少しユニークで、商業施設の開発というと、ビルや大規模なテナント開発のイメージがあると思いますが、そうではなく「まず大きな公園をつくりましょう」。「そこに集まってきた人に、帰りにお店に寄ってもらいましょう」。という考え方で商業施設を作っていくような会社だったのです。今では当たり前なのかもしれませんが、当時(2006年)ではとても先進的で魅力的な考え方でした。自分も会社を設立し、“魅力的なまちづくり”の仕事をしたいと感じたのは、きっと当時勤務した会社の考え方が原点になっていると思っております。
地域とのつながりの接点とビジネスモデルの確立
街を蘇らせる!自主事業の確立
一番初めの事業は、浅草の古い一軒家をカフェやシェアオフィスにリノベーションする。というプロジェクトと、お店やオフィスの空いている時間、スペースを「間借りできる」というサービスを行っておりました。当時、シェアするサービスというのが一気に出始めていて、「間借りできる」というサービスがメディアにたくさん掲載されたのです。するとビルオーナー様や事務所オーナー様など、たくさんの方から問い合わせをいただくことができ、現在の事業の礎となっていきました。
例えば、使用されていないビルをクリエイターさんやデザイナーさん、演劇団体さんなどの多業種にシェアして活動の拠点の場となっている品川の「シェアアトリエ」もその一例です。
品川にあるシェアアトリエ/©まちづくり会社ドラマチック
企業や自治体と一緒にスケールアップ!
こうした自主事業が少しずつ増えてきた中で、今度は企業や自治体から、街の人たちと一緒に活動を生み出していくような場所やスペースづくりができないか。というご相談をいただけるようになりました。モノを有効的に使いながらヒトをつなげ、コトを生み出していくという考え方が企業や行政にも浸透したちょうどよいタイミングであったのだと思います。
自分がやりたかった「まちづくりの仕事が価値になる、ビジネスになる。」と確信を持ったのはちょうどこのあたりからでした。
現在では自主事業はもちろんですが、企業、行政とダッグを組んでまちづくりを企画提案、展開、運営していく。そのようなビジネス展開も着実に増えてきました。時代とともに求めるニーズに提案できたことが自然に今のビジネスモデルになっているのではと感じています。
この時代における「まちづくり」「地域活性」のポイント
この時代だからこそ、(ということでもないのかもしれませんが、)みんな楽しく生きたいですよね。昔だと楽しく生きるためには、いい大学に入って、一流企業で勤務して…。といった考え方だけだったのかもしれません。もちろんその考え方も楽しく生きる方法だと思います。ただ、私が考える「楽しく生きる」は、自分自身に誇りを持てたり、自分のやっていることが地域や周りの人たちに認めてもらえたり、ヒトとヒトとがお互いに共感し楽しみや喜びを分かち合えることが今の時代の「楽しく生きる」一つの手段なのではないかと思います。「生きていてよかったな」「楽しいな」と心から思える時間を生み出すことが大事になってきている時代なのではないでしょうか。
そして、「まちづくり」とは「ひとづくり」でもあって、街に住んでいるいろいろな方が、キラリと輝く瞬間をどれだけ作るかが、これからのまちづくりや地域活性化のポイントになるキーワードになってくると思っています。
次のステップへ
今私は、「ヒトとヒトのつながりをつくる。」ということをこの事業を通じて執り行って来ておりますが、今後は「ヒトと地球のつながりをつくる」ということをやりたいですね!笑 地球は少し行き過ぎていますが、いわゆる「自然環境とのつながりをつくる」ことです。
私たちは、自然環境の中で生かされていますよね。それは、自然豊かなところに行ったり、美味しいものを食べたりするときに感じると思います。その“自然の恵みを感じる価値”をもっとたくさんの人に実感してもらいたいと思っています。
昨今、アウトドアブームだったり、一方で環境破壊が問題視されたり、自然環境は私たちにとってこれからもずっと考えていくべきことです。自分の身近なところから、自然環境を守っていく、支えていくんだ。という意識改革を皆さんに持ってもらえると、ヒトとヒトとのつながりももっと良くなるだろうし、ヒトと自然環境とのつながりも良くなってくるのでは。と考えています。
まちづくりと「ぷらすのチカラ」
出会う人皆さんがめちゃくちゃ面白んですよね。人に出会える機会をまちづくりの仕事が作ってくれているんです。だから私のまちづくりそのものが「ぷらすのちから」なのかもしれません。私自身、たくさんの方に出会って自分の視野や価値観が広がったり、新しいことを知ったりすることがすごく楽しいんです。そうやって皆さんからいただいた分、今度は私が少しでも皆さんに「楽しい人生だな」と思ってもらえるように、まちづくりを通じて恩返しができればいいなと思っております。
まちづくり会社ドラマチック(合同会社ドラマチック)
〒110-0004 東京都台東区下谷1-11-15 ソレイユ入谷2階 reboot
カフェ、アトリエ、オフィス、店舗、公共施設の拠点開発及び不動産再生事業。拠点の立地する街の資産に注目したイベントやプロジェクトの展開、運営事業。一連の活動を通じ地域を耕し、街にユニークな人材や活動が根づく土壌づくり。
撮影協力 JoinSpot袖ヶ浦/コミュニティ・コワーキングスペース 千葉県習志野市袖ヶ浦3-5-3
習志野市の袖ヶ浦団地内にあるコミュニティ・コワーキングスペース。袖ヶ浦団地および地域活性を目的として2021年にオープン。こちらのスペースの企画・運営もまちづくり会社ドラマチックが日本総合住生活株式会社の運営サポートを通じ行っている。