「習チケ」。地元習志野市に昨年末に登場した地域復興を目的としたお買い物券だ。以前は金券だったようだが、今回は金券および電子チケットでの販売。
実は以前、コロナ前も同様の仕組みの地域振興券が限定販売されたが、抽選で落選…。購入できなかった。ただ、今回は見事当選!ひとまず2セット(1セット5,000円)購入に成功。
使い方はとてもシンプル。これを運営委託している会社の習チケのサイトにアクセスし、ログイン。すると、実際の残金や、購入するときに店舗にある二次元コードを読み取るカメラボタンがあり、そこからコードを読み取り認識させるだけ。あとは購入金額を入力して決済。もっと簡単に言うと、ペイペイを使ったことがある人ならなんら問題なく使用できる。さらに、購入者は20%お得に利用ができる。ま、地域振興券って名のつくものはどこの自治体でもやっていて、ちょっとお得に使える。というのが定石だ。ボクもこれを目当てに購入したと言っても過言ではない。
一見、利用者側はいいことづくめ?と思われるこの手の地域振興券。ただこれにも多少なりともいろいろある。
実際に使ってみた感想として、まず、この手の振興券は、利用可能店舗がどこまで広まっているかが大問題。要するに、利用者が普段行くお店で使われてなければ意味がない。実はこれを購入したタイミングでは、利用可能店舗が恐ろしく少なく、一体どこに魅力があるのだろうか?と若干感じてはいた。ただ、日を追うごとに利用店舗も増え、また普段利用している地域のお店で使える店舗も増えてちょっとホッとしたところだ。
習志野市や運営者側からいうと、きっと「これを使えるお店を探し、あらたに地域の魅力あるお店を発掘してもらう」ことこそが、この地域振興券の建前上の狙いだとは思うのだが…そうは問屋がおろさない。まずは行きなれたお店で使いたい。というのが人間の心理だろう。つまり、利用者と習志野市(運営側)での利用促進、目的の温度差がここにある。
そういう意味で、今回市内の大型店舗、イオン系列やヨーカドーなどで利用ができないのは大きなアキレス腱だ。(2023.1.28情報更新 2023.2.7より一部大型店舗にて利用可能)習志野市や運営側は上記の目的のため、できる限りお金を大型小売チェーン店よりも地域の個々のお店に落とさせたい。気持ちはわかるのだが、利用者としては、市内の一番使いやすい大型スーパーで使えないというのは、単純に利用する魅力に欠ける。また、なにもスーパーで使えたからと言って全額振興券をスーパーで使うことはないだろう。このあたりが頭の凝り固まっている役所の考えがどうしても気に食わない。
もう一つは「利用期限」だ。とにかく短い。昨年暮れに利用可能となり、期限は2023.2.28まで。実に賞味約2ヶ月間。これじゃ、利用者側は、使えるところを新たに模索して地域の魅力あるお店を探して使おう…なんてなかなか思わない。期間が短いからとにかく自分が知っている使えるお店で使う。というのがまず頭によぎるものだ。さらに追記だが、このチケット、先日追加発売が行われた。これも当選結果が2023.1.20位を予定しているようだが、利用期限の延長はなく、2.28まで。年度をまたぐので凝り固まった役所側からすれば様々な事情があり、こんな短い利用期間のようだが、あまりに一方的でユーザビリティに欠ける。
地域振興券…地域活性のための振興チケットという、さぞ綺麗事な市の施策とは感じるが、あまりに一方的な印象が否めない。利用店舗、利用者すなわち市民みんながが円滑に使えるものこそ、その価値が高まり、本当の意味での地域振興なのだと感じている。