いろはのデザイン|千葉 東京|web・広告パンフレット企画制作

メーカーのブランディング

2021年12月、幕張アウトレットモールのニューバランス店でジョギングシューズを新調した。ジョギングを始めるようになってかれこれ20年。ただ一度、アシックスのシューズに鞍替えしたことはあるものの、それ以外は常にニューバランスのシューズを使っている。理由はただひとつ。足にフィットしているから。ジョガーならわかると思うが、この単純でかつ、唯一無二の理由こそ、ストレスなくジョギングする大切な理由なのである。

そんな僕の中で絶大な信頼を持つニューバランス。だが、その信頼に傷がついた。

買って2ヶ月あまりのシューズが…裂けた。のである。

右足内側、ソール側面上部に7センチほどアッパーの生地がバリッと裂けた。裂けたことはしばらく気が付かないまま使用していた。こんなことは今までで初めてのこと。さらに大きな裂け目の上部には小さな裂け目も2〜3箇所存在し、もはや修復は不可能だ。

やるせない気持ちを持ちつつ、すぐにニューバランスのサイトへクレームの投稿を。今までの信頼を踏みにじられたこの経緯を詳細に伝え、裂けてしまったシューズをやむを得ず廃棄するしかないと思っていたのである。

だが、ニューバランスは紳士だった。翌日、すぐに返答の謝罪メールが。そして、カスタマーから幕張の販売店に連絡をしてくれ、その翌日には直接幕張のアウトレットショップからTELがきた。内容はショップからもお詫びと、さらにニューシューズ交換か返金の対応をしてくださると。その後、直接店に行き、新しいシューズとの交換を選び同じシューズがまた我が家にやってきた。

これがメーカーの「ブランディング力」なのだと感じた瞬間だ。一個人の、言うならば嘘かもしれないクレームに真摯に向き合い、ユーザーの声を聞き、メーカーとしてできる最善を尽くす。ブランディングとは、一言で言うならば僕はその企業の「強み」だと思う。メーカーはその強みを「開発力」「技術力」「販売力」にチカラを注ぐ企業が多いかもしれない。それは決して間違いでもないし悪いことでもない。ただ、こうしたユーザーと直接向き合い、メーカー側にとっては些細な内容なのかもしれないが、当たり前のように当たり前のことをするユーザーへの「サービス力」を強く感じた。これが、本来あるべきメーカーのブランディングなのではないかと。

カスタマーメールでも伝えたが、ここ最近、シューズの交換するサイクルが早くなっている気がしている。コロナなのでジョグする頻度も増えたという原因もあるかもしれないが、プロダクトとしては明らかに昔のほうが丈夫で耐久性も高いと感じる。それはメーカーの事情、軽量化やコスト削減…など最新技術を随所に投入する一方で、様々な制約のもとプロダクトの開発から生じるアキレス腱、デメリットなのかもしれない。ただ、ユーザーが求めているものは常に最新技術を投じたシューズ…だけではない。

かつて阪神タイガースの新庄選手がたった1個のグローブを何十年と大切に使い続けていたように、自分の肌身にあったシューズを長く大切に使い続けたい。と思うユーザーも世の中にはたくさんいる。そんなユーザーのためのシューズを今後ぜひ作って欲しいものだ。

最後に、ニューバランス、まだまだ履き続けるよ!

い ろ は の こ こ ろ へ〜いろはのデザインの心得〜

いろはのデザインがお仕事の中で大切だと感じていることを綴っていきます。

special

いろはのデザインの周りの素敵なヒト、モノ、コトを紹介!

 

 

ものづくりで大切なこと、
それは今も昔も変わらない。
irohano design's policy

いろはのデザインが思う、デザインの“いろは”

@irohano_design